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カッコ付きの家の本

 まずはこれを見ていただきましょう。

Yevon

 本屋さんで建築や家造りに関する本のコーナーを見ると、奇妙なことに気づかされます。それは、やたらと本のタイトルにカギ括弧が使われている、ということです。
 とりあえず、目に付いたところをリストアップしてみましょう。

  • 宮脇檀の「いい家」の本/宮脇檀(PHP研究所)
  • 子供をゆがませる「間取り」/横山彰人(情報センター出版局)
  • 「小さな家」の気づき/塚本由晴(王国社)
  • さらに「いい家」を求めて/久保田紀子(ごま書房)
  • こんな「いい家」がつくれる/坂本徹也(PHP研究所)
  • 感動と癒しの「木の家」に住みたい!/中野博(日本実業出版社)
  • かしこく「いい家」を建てる70の方法/小林高志(主婦と生活社)
  • 安らぐ家は「間取り」で決まる/上田康充(成美堂出版)

 ちょっとした大型書店一軒で調べただけでもこんなにあるのです。不思議だと思いませんか? 家の本を書く人達は、どうしてこんなにみんなカギ括弧が好きなんでしょう。

 ……と、もったいぶった言い方をしていますが、実はもう答えはわかっているのです。家に関する本にカギ括弧が付けられるようになったことの発端には、一冊の本の存在が影響しているからです。

「家をつくる」ということ/藤原智美

 1997年に初版が刊行されたこの本は、家造りを通じて家族の在り方を問うドキュメンタリーとしてベストセラーになりました。出版の世界では、ヒット作が出れば柳の下のどじょうを狙って、それに似せたタイトルの本が続々出てくるのは常識です。そのこと自体は悪いことだとは思いません。
 中身からしてもろにパクっているような本はちょっと悪質かもしれませんが、たいていはタイトルだけ似せるというのが基本で、そういうのは微笑ましいですね。チーズが消えた本とか、地図が読めない本とか、乗り物男の本とか、まあそういう類(たぐい)のやつ。
 そして家造りに関する本の世界では、ヒットした『「家をつくる」ということ』のあやかるべきポイントが“カギ括弧の部分であった”というわけです。

 以前、東京北部と埼玉県周辺でやたらと見かける日の丸ステッカーの話を書きました。世の中には、「その存在に気づかないうちはまるで見えないが、ひとたびそれに気がつくと、じつは独特の世界ができあがっているのが見えてくる」ということはたくさんあるのです。
 皆さんも、本屋さんに行った際には、ぜひ家造りの本のコーナーに注目してみてください。見事にカッコ付きの本ばかりで驚きますよ。

隣の本が「カッコ」で括られたってねえ。「家(Yeah)〜!」

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