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脱力アートの起源

 タバコの空き箱で傘なんかのペーパークラフトを作るのがいわゆる“オカンアート”の代表格だとすれば、空き瓶の中に帆船模型を入れたりするボトルシップは“オトンアート”であると言えましょう。仕事を引退してヒマを持て余しているご隠居さんにとって、異常に手間と時間を要するボトルシップ作りは、最高のヒマつぶし、そしてボケ防止になるのです。

bottleship  ところで、世界で最初にボトルシップが作られたのは、いつ頃かご存じですか?

 それは、いまから約二百年前。大海を航海中のある水夫が、自分が乗っている船の模型を、船内で手に入る材料だけで作り、それを酒の空き瓶に入れてみようと思い立ったのが始まりだと言われています。やっぱりキッカケは“ヒマ”なんですね。

tabacco  では、タバコのペーパークラフトの起源はというと、どうやらこちらは日本が発祥の地のようです。京都たばこサービスセンターによると、もっとも有名な「蛇の目傘」を最初に作ったのは競輪選手なんだそうです。競輪選手っていうのは、いわゆる八百長を防ぐために試合前の数日間は外部の人間との接触を禁じられています。そこで、ヒマつぶしとして自分の吸っている煙草の空箱であれこれ工作をしているうちに、偶然「蛇の目傘」が出来てしまったのだとか。人間、ヒマだといろんなことをするもんですねー。ていうか、競輪選手が煙草なんか吸ってちゃダメだよ!

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夢の美空ひばりランド

美空ひばり館(京都府・嵐山)
美空ひばり歌の里(長野県・箕輪町)
雲雀乃苑 みだれ髪歌碑(福島県・塩屋崎灯台)

 いつか全部回りたいのでメモしておきます、美空ひばりの施設いろいろ。そろそろまたくるよね、ひばりちゃんブームが。

 ところで、美空ひばり関係の施設といえば、どうしても忘れられないのが13年前に新聞で見た記事。
 「総工費100億円で美空ひばりのテーマパークを建設中!」といったようなことが書かれていて、完成予想図も載っていました。それによると、ひばりパークは福島県の塩屋崎灯台周辺の土地を大胆に使っており、美空ひばり1人のネタでそんなにアトラクション作れるのかな〜、みたいなバブル感あふれるシロモノ。
 よく見ると、パーク内はいくつかのエリアに別れていて、いちいち美空ひばりに由来した名前が付いているのが最高でした。いわく「みだれ髪ゾーン」とか、「次世代に継げる日本の歌ゾーン」とか。しまいにゃ「喜びも悲しみも幾年月ゾーン」っていう、楽しいんだか悲しいんだかよくわからないゾーンまであって、一刻も早い完成を願わずにはおれませんでしたね。


 で、あれから早や13年もの月日が経ってしまいました。もういいかげん「ひばりパーク」も完成してるだろうから、一度は遊びに行こうよねー、なんて友達に話してみたところ、誰も信じてくれません。「そんなのあるか!」とか言われます。
 本当なんだって! マジでひばりパークあるんだって! 13年前にそういう記事見たんだってば!
 あんまり悔しいので、このあいだ親戚の用事で福島まで行ったついでに、塩屋崎灯台に寄ってみましたよ。

 ……ひばりパーク、ありませんでした。

 上記3番目のリンクにあるように、ひばりちゃんの歌碑があるだけでした。100億円プロジェクトはバブルとともにはじけたようです。ここにテーマパークが作られる予定だった、とかそういう痕跡すらありませんでした。仕方ないので、おみやげに、みだれ髪の手ぬぐいだけ買ってきました。

 皆さんも信じられませんか? こんなに素敵なパークの建設予定があったことを。

hibari1

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巨人ゆえにデカイ

2nd  巨人ゆえにデカイです。何を当たり前なことを、と言われるでしょうけれど、そういう名前なんだからしょうがないの。巨人、ゆえに、デカイ。そういう名前のバンドなんです。このあいだ西新宿の某パンク専門店に顔出したときにこれ(←2ndアルバム)を見つけて、バンド名のバカっぽさとそれを端的に表現したジャケの良さに惹かれて即買い。
 ほいで、おうちに帰ってから音を聴いたら、さらに大興奮。ギター(水内義人)とドラム(和田シンジ)の二人だけのバンドですが、怒濤のドラミングとやや調子っ外れながらもグイグイ押してくるギターが超パワフル。そして割とデタラメにがなり立てる中2男子感覚溢れる無意味な歌詞もグー。ほぶらきんとあぶらだこを足して2で割ったら「ほぶらだこ」になっちゃいました〜、みたいな感じ。

040905at-ufo  ネットであれこれ調べてみると、高円寺の円盤なんかでたまにライブもやってる模様。ライブレポートはここが最高。
 どうやら、このバンドはギターの水内氏のアート活動の一環らしい。バンド以外ではこんなこともやってるみたいですよ。
 巨人ゆえにデカイ、そして水内氏は今後ぜったいに注目しておくべき。

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文庫屋の壁

http://blog.livedoor.jp/taihei_org/archives/2006-03.html#20060314

0dc6951b  神保町の表通りからちょいと一本脇道に入ると、店の壁面本棚に文庫本ばかりがMiddle Hot Chili Peppers、略してみっちりと詰め込まれている古書店があったりしますよね。これはそういう様子を連想させるような芸術作品。
 最初見たときは「あー文庫が並んでいる様子を油絵で描いたのね?」と思ったんですが。

http://blog.livedoor.jp/taihei_org/archives/50380596.html

 制作風景を見たらぜんぜんちがってました。大変な労力。そしてアイデア。こりゃおもしろい&デストロイ!

みたいもんで尻ました)

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戦場にかける橋からの大脱走

 世界3大マーチといえば、『大脱走のテーマ』と『クワイ河マーチ』と『うなずきマーチ』で異論はないと思いますが、最初の2曲ってどことなく曲のイメージが似てるから、いつもどっちがどっちだかわかんなくなっちゃうんですよね。とくに最初の2音。

 「大脱走」の方は 「♪タ↓ラ↑ タラーラ タラ!」で、
 「クワイ河」の方は「♪タ↑ラ↓ タララ タッタッター!」となります。

 下から上にあがるのと、上から下にさがるのとで明確な違いがあるんですが、でも、だからこそ、どっちがどっちだか混同しちゃうのです。

 ところが! それを簡単に区別する方法を発見しました!

 最初の手がかりは「ブロンソンズ」。あの人たち「大脱走のテーマ」に日本語詞を付けて唄っているんですが、それが「♪お↓れ↑ 穴ーを 掘る!」と大変にわかりやすいものになんですね。まず、それだけでも覚えておけば、残りの一方が「クワイ河」なわけですから、両者を区別することはできるでしょう。

 しかし、「クワイ河」にも簡単な覚え方があるのです。それは、子供の頃に流行った替え歌です。そう、「♪サ↑ル↓ ゴリラ チンパンジー!」というやつですね。こちらも異常に語呂がいいので、一度聴いたら忘れられなくなるはずです。

「お↓れ↑」と「サ↑ル↓」。

 このように最初の2音さえ区別できれば、もう「大脱走のテーマ」と「クワイ河マーチ」で、どっちがどっちかわかんなくなってしまうことはないでしょう。おわり。

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名盤32選 制作記

 何人かの方から、「次回はぜひ□□□も描いてくれ!」とか「なぜ○○○が32選に入ってないんだ!」とか「わたしなら@@@を描くところだけど、ドット絵の才能がないので……」とか「アタシの、うふふ、ここにも描いてくれない?」とか、たくさんのコメントをいただきました。
 けれど、わたしの方は限界の32枚まで作りきっちゃったし、かといって、もう1本「どうぶつの森」を買うというのもアレなので、これ以上名盤を描くことはないでしょう。
 というわけで、このあとは皆さんにどんどんマネしていただき、ご自分の好きなジャケットを描いていただきたいなあと思っています。そのためにも、今回は、わたしが「どうぶつの森」で名盤を描いたときの製作工程を、最初の試行錯誤も含めて全部公開してみたいと思います。ぜひ、参考にしてみてください。

 すでにご存じの方も多いと思いますが、任意の画像を「どうぶつの森」用のドット絵にしてくれる「Decalmaker」というサイトがあります。わたしも最初はこれを使ってみたんですが、実際にやってみると、あまり実用的ではないことがわかりました。全32枚のうち最も評価の高かった「Nevermind / Nirvana」を例にして、それを説明してみましょう。

 まず、自分のパソコンのハードディスクにジャケットの画像を用意します。本当ならここで解像度の高いジャケ画像が手に入りやすいサイトのことなんかも紹介したいんですが、無断で画像をアレする方法をアレするのはちょっとアレなので、そのへんのところは割愛します。皆さん、自分でお金を出してCDを買って、ご自分のスキャナーで撮りましょうね。

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 さて次に、先ほど紹介したDecalmakerのサイトをブラウザ上で開き、ドットチェンジしたい画像を読み込ませます。そうして「Make it a pattern!」というボタンを押せば、最適なパレットをコンピュータが自動選択してドット化してくれるわけですが……。

nirvana02  あくまでもわたしの勝手な推測ですが、おそらくDecalmakerでは、元画像の色データを数値化して近似値の色を多く含むパレットで塗りつぶしているのでしょう。だから、こんなんなっちゃうのです。でも、少ない色数、少ないpixel数で表現しなければいけないドット絵というのは、基本的に目の錯覚を利用する描画方法ですから、ときには元画像では使われていない色を使った方が、かえってそれらしく見えることもあるんです。

 というわけで、わたしはDecalmakerを使うのを早々にあきらめました。そして次に思いついたのは、元画像を“手動でドット化していく”ことです。
 最初は元画像を紙にプリントアウトし、その上に定規で32×32のマス目を描こうとしたんですが、それをこの先32枚も繰り返さなければならないのかと思うと激しく頭痛がしてきたのでそれはやめて、パソコン上でやることにしました。

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 まずは、32×32の方眼が必要となるわけですが、そんなものを手で描くのはいやだし、パソコン上で描くのもなんだかめんどくさそうです。そこで、以前、ドッツに狂っていたときに利用したサイト「.S Editor」のことを思い出しました。ここの方眼がなかなか使いやすそうなサイズで、しかも色がグレーなので、あとでジャケ画像と重ね合わせるときにもよさそうな気がしたのです。

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 これをスクリーンショットで撮って、その画像をPhotoshopで読み込んでレイヤーにします。そうしてジャケ画像の上に重ね合わせ、不透明度を約50%程度に調整すればいいのです(この不透明度は、下に敷くジャケ画像の濃さに合わせて適当に調整するべし)。

nirvana05

 ただし、不透明度を落としているとはいえ、実際のジャケ画像の上に薄いグレーが乗っているわけですから、うっかりそれだけを見ながらドットを打っていると、なんとなく灰色がかったジャケ画像ができてしまいます。そこで、方眼を重ねていない元画像も横に並べておき、正確な色味はそっちを見て確認するといいでしょう。

 で、わたしはその画像をプリントアウトして持ち歩き、毎日の通勤電車で吊革につかまりながら(ときどきポケットから紙を出して確認しつつ)ぽちぽちとドットを打っていったというわけです。

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名盤ネタはこれにておわり。ありがとうございました。

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異論なき、いろんな木

この木、なんの木、きになる木
http://www.hitachinoki.net/

トトロの木
http://www004.upp.so-net.ne.jp/will/totorok.htm

ケンとメリーの木
http://www.ne.jp/asahi/frog/hh/hk17.html

セブンスターの木
http://www.ne.jp/asahi/frog/hh/hk19.html

マイルドセブンの丘(木じゃない)
http://www.ne.jp/asahi/frog/hh/hk14.html

この木nyaんの木? 気になる木
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=27054

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カラーブックス 〜 ポケットの中のインターネット 〜

 皆さんは「カラーブックス」というものをご存じでしょうか。原色図鑑を専門に出版している保育社が昭和37年に刊行を開始したミニ文庫シリーズで、「高山植物」とか「世界の切手」とか「版画入門」とか、いかにもな題材がラインナップされています。古本屋巡りの趣味があるような人なら、波ビニールのカバーが掛かったグレーの背表紙に見覚えがあるでしょう。
 このカラーブックス、残念なことに発行元の保育社が不渡りを出して和議申請しており、現在ではすべて絶版となっています。同社自体は現在も残っていますが、在庫の販売をしているのみで、新刊の発行はしていないようです。

colorbooks  カラーブックスの魅力はといえば、使い古された表現ですが、やはりその“レトロ”な雰囲気でしょうか。のちほど紹介するページを見ていただくとわかると思いますが、あつかっている題材も、載っている写真も、解説の文章も、いちいち古臭くていいんですよ。もちろん装丁も!
 後期では波ビニールの使用をやめ(保存状態の悪いビニールカバーは経年劣化で縮むため表紙を反り返らせてしまう)、白い紙製の表紙カバーにチェンジされていましたが、あれはいけません。やはりカラーブックスは波ビニールのカバーが掛かっていなくては。

 ネットを見渡しても、カラーブックスに関する情報はそれほど多くはありません。検索結果はたくさん出てくるんですが、その大半は書店・古書店の通販ページで、カラーブックスの輪郭を知るにはいいけれど、その奥深さを知る役には立ってくれないのです。ポン子は、カラーブックス的なことを個人が自由に発表できる場所こそがインターネットである」と認識しているのですが、肝心のカラーブックスそのものについては、あまりネットでは語られていないのです。 

 というわけで、今日はカラーブックスのコレクターさんや、カラーブックスのことを知るために最適なページを、いくつかご紹介しましょう。

Juicy Fruitsさんのコレクションページ「保育社カラーブックス」
http://www.juicyfruits.net/march/hoikusya/index.html
 珠玉の温泉コレクションと、そこに付されたコメントが面白いです。

まぼろしチャンネルさんの日本絶滅紀行「第6回 カラーブックスの魅力」
http://www.maboroshi-ch.com/cha/tab_06.htm
 関係ないけど、このサイトは「怪獣千一夜」というコラムも面白いです。

しおりの広場さんの「保育社「カラーブックス」の鉄道しおり」
http://rs373.cool.ne.jp/siori/tetudo/hoikusya.html
 しおり(栞)コレクターさんもカラーブックスに着目しています。

・そして、とどめが「カラーブックス保存協会」
http://old-books.cocolog-nifty.com/colorbooks/
 文字通り、カラーブックスコレクターの方のblogです。不定期更新ですが、コレクションの中からお気に入りのものを随時紹介されています。カラーブックスという古臭いものとblogとの組み合わせが愉快です。

 さて、ポン子のコレクター気質を知ってる方はとっくに気がついていると思いますが、わたしも古本屋さんへ行くたんびに、気に入ったものをちょこちょこ買ったりしています。いまいちばん探しているのは「すすきののママ101人」というやつ。でも、なかなか発見できません。amazonのリストにはあったので、おそらく保育社に残っていた紙カバー版の在庫だろうと注文したら、amazonの中の人(アマゾネス)が必死に探してくれたにもかかわらず、結局、在庫切れで手に入りませんでした。残念〜。

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ボツった名盤

 いやー、「どうぶつの森 ロック名盤32選」に思いの外たくさんのリンクを張っていただき、大変なことになってます。いつもは日に70ぐらいしかアクセスのない按図索駿ですが、ゆんべあのエントリーをアップしてから、約24時間で5000アクセスを越えましたよ。あんまり注目されたくないポン子ではありますが、それでも皆さんによろこんでいただけるというのは、ありがたいことですねえ。こんなに注目されたのは、前にやってたサイトで「ゴーゴー夕張の鉄球作った女の子」を紹介したとき以来ですねえ。

 で、たいした意味はないんですが、ドット絵にチャレンジはしてみたものの、色々な理由でうまく描けずに挫折したものもたくさんあるんです。その一覧を以下に記しておきます。

 Abbey Road / Beatles(1969)
 Atom Heart Mother / Pink Floyd(1970)
 Black & Blue / Rolling Stones(1976)
 Blood Sugar Sex Magik / Red Hot Chili Peppers(1991)
 Breakfast in America / Supertramp(1979)
 Elvis Presley / Elvis Presley(1956)
 Eskimo / Residents(1979)
 Q:Are We Not Men ? / DEVO(1978)
 Songs In The Key Of Life / Steive Wonder(1976)
 Super Giants / Blind Faith(1969)
 Synchronicity / Police(1983)
 Tarkus / Emerson, Lake & Palmer(1971)
 There's A Riot Goin' On / Sly & Family Stone(1971)
 Wired / Jeff Beck(1976)

 Blind Faithの「Super Giants」なんかは簡単そうだと思ったんですけどねー。案外最適なパレットがなくて描けなかったんですねー。ジャケ画像をダウンロードしようと思って、image Googleでスーパージャイアンツを検索したら、Blind Faithのジャケと同時に宇津井健の全身タイツ姿もずらずら出てきて笑いました。そりゃそうだわなあ。

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ロック名盤32選

 この2ヵ月ほど必死に遊んできたNintendo DS『おいでよどうぶつの森』ですが、このほど無事に終了しました。いや、ちょっと待て、あれはエンディング迎えるようなゲームじゃないだろ! という声が各方面から聞こえてくるのでご説明しますが、『おいでよどうぶつの森』には、32×32ドットのサイズでオリジナルの絵が描ける「マイデザイン」という機能があります。わたくし2ヵ月ものあいだ森で何をやっていたかというと、この機能を利用してちまちまちまちまロックの名盤のジャケット画像を作っていたんですね。
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 本当なら語呂よく「ロック名盤100選」といきたかったのですが、このゲームでは、キャラクター1人につきセーブできるマイデザインは8枚まで、という制約があります。そして、最大4人まで自分の森に住まわせることができますので、トータルで作れるマイデザインは、8×4=32枚ということになります。だから「ロック名盤32選」なんです。

 とはいえ、この32枚が誰もが納得する名盤32選になっているかというと、必ずしもそうではありません。なぜなら、どれほど名盤であったとしても、ドット絵では表現できないジャケットもあるからです。

 たとえばBeatlesの「Revolver」。やってみればすぐにわかると思いますが、細い黒線で描かれたあのイラストを、32×32のドット絵で再現するのはいくらなんでも無理です。
 たとえばPink Floydの「Dark Side Of The Moon(狂気)」。これも一目瞭然でしょう。このプリズムを通過していく光の線のように、垂直でも水平でも45度でもない微妙な角度の線を表現するのが、ドット絵はもっとも苦手とするところなんです。

 じゃあ、描きやすくて簡単なデザインの名盤ならいいのかといいうと、まあ、たしかにそうなんですけれど、でも、白一色でぺぺぺぺぺぺッと塗りつぶして「White Album / Beatles」の出来上がり〜! というのでは、見せられた方もつまらないし、だいいち描いてるわたしも面白くありません。ほどほどに手応えがあって、意外性があって、それでいて誰もが名盤と言えるようなヤツ。そういふものをワタシハツクリタイ。

 前置きが長くなりました。早速ご紹介いたしましょう。1枚ずつコメント付きでお送りする「おいでよ どうぶつの森 ロック名盤32選 ギャラリー」です。

01-04
01 The Slider / T-Rex(1972)
 いちばん最初に描いてみたのがこれ。たまたまCDが机の上にあったので、適当に作り始めてみたら案外いい感じに仕上がりました。とはいえ、ジャケ画像を見ながら適当にドットを打っていっただけなので、最初に出来上がったのはもっと単純な白と黒の点描でした。それをかなり後になってから中間色も足して大幅に修正したのです。

02 In the Court of the Crimson King / King Crimson(1969)
 T-Rexに味をしめて「本格的にロック名盤を作っていこう」と思ったときに、真っ先に思い浮かんだのがキンクリのクリキン。ロック名盤……というか、名作ジャケットを語るうえで、これは避けて通れないでしょう。自分の村のフィールドにこれが貼ってあるのは相当に気持ち悪くていい感じです。

03 Machine Head / Deep Purple(1972)
 グラム、プログレときたら次はハードロック! というわけで、Led Zeppelinの1stを描いてみようかと思ったんですが、白黒の点描はT-Rexでやってしまったので、Deep Purpleに変更。このジャケはメンバーの顔が映っている鏡(鉄板?)がゆがんでボンヤリしているので、ドット絵向きじゃないかと思ったけど、描いてみたら案外うまくいきました。

04 Drums & Wires / XTC(1979)
 新宿のHMVでCDを物色しているときに、懐かしいこのジャケを見て「これだ!」と思いました。でも、家に帰ってきて実際に描いてみたら、こういうグラフィカルなデザインのジャケは簡単に描けすぎて、あんまり楽しくはなかったんですね。このとき以来、ちょっと難しいぐらいのほうが手応えがあっていいのだ、ということを学びました。

05-08
05 Nevermind / Nirvana(1991)
 描く前は無理かなーと思っていたんですが、いざ、完成してみたら会心の出来となりました。水中の照り返し表現とか、我ながら惚れ惚れします。ポコチンが目立つように2ドットで描いたら赤ん坊に見えなくなってしまったので、1ドットに戻したりしてバカみたいなことをやっています。

06 Tommy / The Who(1969)
 The Whoは最初は「The Kids Are Alright」を描いてみましたが、最適なパレットがなくて断念。ユニオンジャックを描くために、最低限、白と赤とその中間色が必要で、そのうえさらに上半分の暗い部分を表現するためには暗めのグラデーションが必要となります。でも、それらが共存しているパレットがなかったわけです。で、幾何学的なデザインだから難しそうだと敬遠していた「Tommy」にチャレンジしてみたら、あっさり出来てしまったのでした。

07 Layla / Derek & The Dominos(1970)
 イラストや絵画系のジャケットよりも、写真の方がドットで再現するのは楽しいということがわかってきたわけですが、やっぱりこれだけは作っておきたかった。目のあたりの表現にちょっと難航しましたが、なんとかそれらしく再現することができました。

08 The Man Machine / KraftWerk(1978)
 彼らの場合、「1st」とか「2nd」とか「Autobahn」のドイツ盤とかドット絵的に簡単そうなのはいっぱいありますが、ほどほどに手応えがありそうなところでこれ。つーか、いちばんの名盤もこれですよね。実際のジャケでは、メンバーが着てるシャツと背景はほとんど同じ赤で溶け込んでるんですが、あえて微妙に違う赤を使って塗り分けたところがテクニックの見せ所です。

09-12
09 Queen II / Queen(1973)
 このあたりから名盤ドット絵を作ってることを友達にカミングアウトしました。そうしたら、Queen好きの友達からこれを作って! とのリクエストが来たので、チャレンジしてみました。本当はフレディは手の甲を見せてるんですが、なんか手のひらを見せているようになっちゃいましたね。でも、少ないドットでちゃんとフレディの顔がフレディに見えるからいいですよね。

10 Remain in Light / Talking Heads(1980)
 これは、作る前から大成功するのを確信していました。人物写真にデジタルっぽい赤が重ねられているところなんか、この企画のためにあるようなデザインですね。CDの内容も最高だし、言うことナシ。

11 Petsounds / Beach Boys(1966)
 ジャケットの上1/3を黄緑色で塗っちゃえばそれらしく見えるだろうと予想していたんですが、思ったほどにはうまくいきませんでした。Beach Boysにはあまり思い入れがないから、そういう気持ちの希薄さが仕上がりにも表れてしまったのかもしれません。実は、これらの作品の画面撮りで協力してくれた人はBeach Boysの大ファンなので、ちょっと申し訳なく思ったりもして。

12 Diamond Dogs / David Bowie(1974)
 こちらはBowieファンの友達にリクエストされて作りました。本当は「Heroes」を、ということでしたが、あれは白黒写真なのと、あまり手応えがなさそうだったので、あえて難しそうな「Diamond Dogs」を選んでみました。別の友達は、アップで見るとオカマの日出郎なんだけど、縮小するとちゃんとBowieに見える! と褒めて(?)くれました。

13-16
13 Hotel California / Eagles(1977)
 Eaglesにはまるで興味がないポン子ですが、ロック史的にはまぎれもない名盤だし、ジャケのデザインも素晴らしいので挑戦してみました。ちょっとパームツリーの表現に失敗しちゃったかな。本当は木の幹の部分がゆるくカーブしてるんですが、さすがにそれは表現しきれませんでした。

14 Give 'Em Enough Rope / The Clash(1978)
 The Clashは「London Calling」を、というリクエストがありましたが、あれはElvis Preslyの1stアルバムのパロディジャケットなので、じゃあ本家Elvisを作ってみるかと、やってみたら案外難しくて挫折したりなんかして、結局、The Clashの中でも比較的簡単そうなこれに落ち着いたのでした。

15 End Of Century / Ramones(1980)
 大好きなRamonesからはこの1枚。ちょっと中間色のドットを使いすぎて、ピンボケ気味になっちゃったかもしれませんんが、元々そんな感じのジャケットですね。

16 Vacant World / Jacks(1968)
 邦楽からも1枚選ぼうというのはずーっと考えていて、まあ、無難なところでYMOかねえ、なんて考えていたんですが、これの前に作ったRamonesのジャケットを見ていて、ハッとこのアルバムのことをひらめきました。メンバーの顔を表現するために肌色(あるいはオレンジか茶色)のグラデーションは絶対必要で、そのうえで石膏像を表現するための薄いグレーが含まれたパレットがなくて苦労しました。結局、水色で誤魔化しているのは見ての通り。

17-20
17 Look At Yourself / Uriah Heep(1971)
 70年代に日本発売された洋楽盤で、Pink Floydの「Atom Heart Mother(原子心母)」と双璧をなす超訳っぷりなのが、Uriah HeepのLook At Yourself(対自核)でしょう。このレコードはそんなタイトルも素晴らしいのですが、それをさらに強烈に印象づけているのが、盤面の中央に鏡状の銀紙を配したデザインです。銀紙部分をのぞきこめばそこに己の顔が映り込んで、これぞまさに「対自核」。ドットで再現するのは簡単でしたが、ぜひ32枚の中に入れておきたかった名盤です。

18 Are You Experienced ? / Jimi Hendrix(1967)
 ジミヘンは個人的に大好きなミュージシャンなので、何でもいいから1枚だけ作っておこうと思いました。で、やっぱりこれかなあと思って描いてみたわけですが、背景部分の黒とグリーンをうまく馴染ませる中間色がなくて、ちょっと心残りのある出来になってしまいました。

19 Agents Of Fortune / Blue Oyster Cult(1976)
 無くしては買い、手放しては買い、友達にあげては買い、これまでに4〜5回ぐらい買い直しているアルバム。いちばん好きなハードロックアルバムは? と聞かれたら、まず間違いなくこれを挙げるでしょう。邦題は「タロットの呪い」。

20 The B-52's / The B-52's(1979)
 ちょっと新しめのも入れておこうと思って描いてみましたが、あとでちゃんと調べたら、これって70年代のアルバムだったんですね。たしかにこれ買ったときポン子はまだ高校生だったもんなー。時の流れは早い。ていうか、ようするにそれだけわたしが年寄りになったということですね。もう老眼はじまってるし。

21-24
21 Let It Be / The Beatles(1970)
 このあたりから後々この企画を見てくれる人のことを考えるようになって、特別好きなわけでもないBeatlesなんかも描いてみたのでした。ようするに大衆に媚びているわけです。左上のレノン部分の髪の毛がうまく表現できなくて一回挫折したりもしましたが、1週間ほどブランクをおいて描き直したら、なんとか満足のいく仕上がりになりました。

22 The Exciteing / Wilson Pickett(1966)
 1月に訃報を聞いたので、追悼の意味を込めて描きました。しかしこのドット絵では、元盤が醸し出しているエキサイティングな躍動感をたったの半分も表現できていませんね。合唱。

23 Screamadelica / Primal Scream(1991)
 じつはPrimal Screamってほとんど聴いたことないんですけど、このジャケはシンプルながらも印象的なデザインなので、ちょっくら描いてみました。こういう「ああ、あれね」的な有名ジャケを混ぜておくと、この「名盤32選」という企画がグッとわかりやすくなっていいんですよね。

24 Dirty / Sonic Youth(1992)
 ジャケに使われている人形の、毛糸で編まれた感じさえ表現できれば成功だな、と思っていて、実際に描いてみたらうまくいきました。ネットでスーパーマリオの刺繍とかやってる人を見たこともありますが、やっぱり編み物とドット絵っていうのは相性がいいですね。

25-28
25 Brain Salad Surgery / Emerson, Lake & Palmer(1973)
 ELPは最初、シンプルかつインパクト絶大な「Tarkus」を描こうと考えていて、いざ描き始めたらあっけなく挫折。あれって、絵の全体像としてはたしかにシンプルなんですが、よく見るとアルマジロのうろことか戦車のキャタピラとか、緻密なディテールが大きな特徴にもなっていて、そこを表現できなければそれ“らしく”見えないんですね。そんなわけで、かわりにギーガーの絵で超有名な「恐怖の頭脳改革」を描いてみました。

26 Homogenic / Bjork(1997)
 Bjorkっていう人は、儚げで美しい少女を思わせる部分と、西洋人がアジア系の女性を揶揄的に描いたら超どブスになってしまった的な部分を併せ持つ、不思議な女性です。ポン子はBjorkの顔も音楽も大好きですが、このジャケのBjorkはどブス寄りなのであんまり描きたくなかったのです。でも、やっぱり一目見て「ああビョークね」ってわかることが大事なので、我慢して描きました。

27 The Velvet Underground & Nico / The Velvet Underground(1967)
すべてのレコジャケはバナナにあこがれる」んだから、これを描かないわけにはいかないのです。

28 Sheik Yerbouti / Frank Zappa(1979)
 ザッパ、ザッパ……と考えていて、もういっこ超訳邦題のアルバムを思い出しました。そう、Frank Zappa 1983年の怪作「ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパッパ(原題:Man From Utopia)」です。でも邦題の面白さと、それをドット絵で描くこととは関係ないので(当たり前です)、こっちにしました。

29-32
29 Transformar / Lou Reed(1972)
 どんなデザインにせよ、ミュージシャン自身がジャケットに写っている場合、それをドットで表現する際の鬼門となるのが“ギター”です。ギターの緩やかなカーブは、本当にドット絵では表現しにくいのです。それでも、Lou Reedの名盤「Transformar」はギター部分が少ししか見えていないうえに、ほとんどが黒くつぶれているので、あまり苦労はしませんでした。

30 Easter / Patti Smith(1978)
 どうぶつの森でジャケットが描けるのもあと3枚かあ、と感傷に浸っているときに、大好きなPatti Smithをまだピックアップしていなかったことに気がつき、あわててこれを描きました。6曲目の「Rock N Roll Nigger」は超っっっ好きな曲で、何度聴いたことやら。

31 Bookends / Simon & Garfunkel(1968)
 どうぶつの森で使えるパレットの中には、白から黒へのグラデーションだけで15色が構成されたやつがありまして、そんなものを使う機会はないだろうなあと思っていたんですが、写真もロゴもすべてモノトーンで構成されているこのアルバムのことを思い出したので、ちょっと描いてみました。

32 Plays Live/Peter Gabriel(1987)
 なんで最後の最後にこれを選んじゃったのか、自分でもよくわかりません。ロクに聴いたこともないのに……。ただ、このジャケはずーっと心の底に引っかかっていたんです。記憶に残るデザインという意味では、やはり名作ジャケだと言えるのでしょう。名盤かどうかはわかりませんが。

 というわけで、ここまで長いエントリーにお付き合いいただき、ありがとうございました。

(撮影協力:元宮秀介

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