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DVD『ジュラシックジョーズ』

とっても素敵な映画を発見しました。中古DVD屋さんで1980円だったから、迷わず購入。その名も『ジュラシックジョーズ』。もうタイトルきいただけで興奮する。ジュラシックパークなのか、ジョーズなのか、どっちかハッキリしろ、と。まあ、どっちでもないのはわかりきってるんだけど。

原題は「Up from the Depth」。もっともらしく和訳すれば「深海から訪れしもの」とでもなるでしょうか。日本版DVDのパッケージには1994年制作なんて書いてあるけど、それは思いっきり大嘘で、実際には1979年に作られています。

jj01jj02※写真左が今回購入した日本版DVD 右は米国公開時のポスター

ようするに、スピルバーグ監督の『JAWS』が1975年に大ヒットしたあと無数に作られた、典型的な便乗サメ映画なんですね。でも、とくに話題になるでもなく忘れ去られていきました。たぶん日本公開もされなかったはずなので、ポン子もこんな映画のことは知りませんでした。

で、スピルバーグ監督は1993年にまたまた『ジュラシック・パーク』で大ヒットをかましたので、今度はタイトルだけ『ジュラシック・ジョーズ』に変えて、さも『ジュラパ』の便乗作のフリをした、というわけです。

なんでそういうことがわかるかというと、映画の中身を見れば一目瞭然。画質といい、演出といい、役者の顔といい、どう考えても90年代のテイストじゃないからです。最初の元ネタの『JAWS』より古臭いんです。でも、だからこそ、いま観ると、すごいおもしろい!

★以下、どうせ誰も困りゃしないでしょうから、ネタバレで解説します。

舞台はハワイのリゾートホテル(実際にはフィリピンでの撮影)。突如、出現した謎の巨大鮫に、観光客がひとりまたひとりと、襲われていきます。事件の報告を受けたホテルのオーナーは、そんなことが起こっているのを知られたらお客さんが来なくなるというので、みんなには内緒にしようとします。

ところが、鮫はホテル周辺のビーチにまでやってきて、豪華クルーザーを破壊したり、グラビア撮影中の美人モデルを食っちゃったりします(これは本来の意味での“食っちゃう”です)。当然、パニックになりますね。我先に逃げようとする人々でビーチは大混乱。子供や老人が押しのけられたり絶叫したりします。
ここまでは、ヘボいながらもまあ『JAWS』とだいたい同じようなストーリー進行です。

そして、びっくりさせられるのはこの後の展開なんです。

どこかの誰かがオーナーに「鮫に懸賞金を賭けたらどうだ?」と入れ知恵します。そうすれば客はもどってくるに違いない、というわけですね。実際、その予想は見事に的中し、さっきまで逃げ惑っていた客たちがコロリと態度を変えて、一斉に武器を調達するために遁走しはじめます。なんだかとっても楽しそうに。

ホテルのTiki風内装に使われていた槍をもぎ取ったり、なんの伏線もなしに出現する銃砲店で、客たちは我先にとショットガンやボウガンを買いあさます。おまけに貸しボート屋まで営業を再開するんですが、それがいわゆる小っちゃい手漕ぎボートで、どう考えても巨大鮫になんか勝てなさそうなシロモノ。だって、相手はクルーザーすら破壊しちゃうんですから!

※ご注意!
相手はクルーザーすら破壊する巨大鮫だからといって、震え上がることはありません! なぜなら、この映画に登場する巨大鮫のやつ、こんなん(↓)なんですから。

jj03どこのジャングルクルーズから持ってきたんだよ、って感じです。

さて、この宿泊客たちの武器調達シーンは、なんか単純に盛り上がる場面を作ろうとしただけとみえて、それ以上のおもしろい展開になるでもなく、ドラマの盛り上がりに役立つでもなく、武器を持った連中も簡単にパクパク食われていってしまいます。
最終的に巨大鮫を倒す重要な役どころは、もちろん主人公のものです。なんとなく出番の多かった若者(ホテルのオーナーの娘とデキている)が、主人公というだけの理由で、鮫征伐に立ち上がります。

この若者くん、ダイビングの先輩と一緒に、どこに用意してあったのか知らないけれど“爆弾”をクルーザーに積んで海へ出ます。そうして、鮫のそばに潜っていって囮となり、襲ってきた鮫に爆弾を食わせて爆破するという、あまりにも無謀すぎる計画を実行します。ところが、先輩はうっかり(?)鮫に襲われ、内臓破裂で死んでしまうのです。展開が早すぎますが、誰も気にしません。

jj04ボートに引き上げられた先輩は、死ぬ間際にひとこと言い残します。

「お、おれが死んでも、海には……捨てないでくれ……
 あんな怪物にだけは……食われたくないんだ……」

涙ぐむ若者と、その彼女。胸がしめつけられる名場面。なんだ、案外いい映画じゃない? と、このあたりで本作への評価がぐぐぐっと高まっていきます。

しかし恐ろしい巨大鮫は、若者たちに友を追悼するヒマなど与えてはくれません。ボートに取り残された二人に向かって、激しく襲いかかってくるのです。なんとかして爆弾を食わせなければならない。いったいどうすればいいのでしょう。絶体絶命!

若者は考えます。潜って爆弾を食わせる作戦が失敗したからには、爆弾を何かのエサにくくりつけて海に流し、それを鮫に食わせればいいんだ!
しかし、若者はエサを持ってくるのを忘れてしまったのです。

さあ、どうしよう、どうしよう……。

若者は何かをひらめき、平然とした顔で言います。

「そうだ、この死体をエサにしよう!」

なんということを! 当然、彼女は反対しますが、若者は完璧にスルーして、先輩の死体に爆弾をくくりつけると、海へドボーンと投げ入れます。先輩の死体は口からダラダラ血を流しているので、すぐに鮫が食いついてきます。そしてスイッチオン。ドカーン! 鮫はバラバラ。ものすごく簡単に解決してしまいました。

jj05それを見て、泣いていた彼女も無邪気にバンザーイ!

先輩、ぜったい成仏できないだろうなあ……。

というわけで、たいへんいい買い物をしました。皆さんもどこかで見かけたら買ってみよう! 定価4700円もしますけど。

※この原稿は某所用に書いたものなんですが、せっかくだからいろんな人にも読んでいただこうと思い、加筆修正して転載しました。

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